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地域とつながり、人生を紡ぐ

地域とつながり、人生を紡ぐ

 人生100年時代と言われる今、健康で生き生きとした暮らしを送りたいと誰しも願うはず。そのためには、自分でできることをしながら、時にはまわりのサポートを得ることも大切です。肩の力を抜いて〝自分らしい生き方〟を積み重ね、豊かな人生をー。

 

日々のルーティンと社会とのつながり

 廣瀬さんは現在、岩崎地区で1人暮らしをしています。「朝は6時に起きて庭の手入れをすると、良いリフレッシュになります。卵入りのおみそ汁やお漬物、ヨーグルト、バナナなどで朝食を済ませると、仏壇に手を合わせ、洗濯をしたり新聞を読むなどして過ごしますね。夜寝るのは、21時〜22時でしょうか」。それが廣瀬さんの日課ですが、週1回のデイサービスに行きながら、月に1回は地区の通いの場である「岩崎ふれあい・いきいきサロン」に参加。外とのつながりを持ちながら心身の健康を保っています。

気になったことは何でもチャレンジ

 宇目地域で育った廣瀬さんは佐伯で小学校の教師として働いていましたが、結婚を機に退職しました。子どもが好きだったことから、子育てが落ち着いた45歳の時に一念発起。保育士資格の試験に見事1発で合格し、保育士として10年ほど働き、「その後は、孫の世話をするために1年間福岡に住んだこともあります。自分の思いや家庭の事情に合わせた生活を楽しんできました」。

 廣瀬さんは多趣味であり、スポーツも昔から得意とか。趣味で挑戦していたグラウンドゴルフでは80歳の時、県大会で優勝するほどの腕の持ち主です。「大正琴も30年ほど続けていて、お花や習字、ちぎり絵なども習ったことがあります。興味のあることは何でも挑戦してみることを心掛けていますね」と元気の秘訣を教えてくれました。

 

人とのつながりが生きる喜び

 自然のままに過ごし、自分の時間を大切にしている廣瀬さんが102歳を迎えて思うこと。それは「まわりの存在が支えになっている」ということです。「サロンに出かける日は近所の友だちが誘いに来てくれます。知人が定期的に食事会も開いてくれます。教え子も多く、みんなの話を聞くことが元気の源になります。〝みこ姉〟と呼ばれるのもうれしいことですね」。自然のままに生き、まわりと手をつなぎながら、穏やかな気持ちで暮らしを送っています。

健康寿命を延ばそう佐伯市が進める介護予防

 高齢者の皆さんが住み慣れた地域で健康で自分らしく、できる限り自立した生活が営めるよう、市では「介護予防・日常生活支援総合事業」に取り組んでいます。この事業には、運動機能の向上や社会参加へのきっかけづくりなどのサービスがあり、対象者の状態や生活に応じた支援を行っています。

 サービスを利用している方から「自分の状態にあわせた全身運動を中心に、お口の健康の大切さなどを学んでいます。通所仲間や職員さんとの会話を楽しみに通所しています」などの話を聞けました。

 

立ち座りや家事のしづらさ、段差でつまずきやすいなど、生活の困りや不安はありませんか?
地域のサロンなどへの社会参加も介護予防サービスも、介護予防の1つです。
介護予防は早めに気づいて、早めに予防することが大切です。

 

 大分県は健康上問題のない状態で日常生活をおくる期間・健康寿命の全国1位を目標に掲げています。県民の健康寿命を延ばすための13の指標があり、全国1位を獲得した項目が「通いの場参加率」です。(令和2年度)

 市でも「通いの場参加率」を一層高めるため、「ふれあい・いきいきサロン」「さいきの茶の間」「新たな通いの場」という通いの場の活動支援を行っており、高齢者が身近な場所に集まり、健康体操、認知症予防、趣味活動などを行う場を、地域ぐるみで運営しています。

 介護予防のポイントは、「早めに気づいて早めに予防する」です。1人では大変なことも、地域の人と取り組めば継続につながります。参加は何歳からでも大丈夫!お近くの3種類の通いの場へ、気軽に参加してみませんか?

仲間と時間を共有すると心身がすっきりします

 通いの場の1つである、さいきの茶の間「匠南」では、毎週様々なテーマで集まりの場が開かれています。 川原さんは、平成18年から健康運動普及推進委員として活動してきた経験を活かして、週1回の体操教室の指導をしています。

 体操教室では口腔ケアのDVDを見て、深呼吸や指運動、リズム体操やめじろん元気アップ体操、ストレッチなどを行います。地区に住む70歳以上の人が参加しています。

 川原さんは「毎回楽しみにしてくださっている人がいらっしゃるので、やりがいになりますね」と話します。また、川原さん自身、「茶の間」の卓球教室やグラウンドゴルフにも参加しているそうです。趣味の詩吟教室、仲間との体操など、積極的に地域の場に参加して、交流を楽しんでいます。「健康に長生きをするためには、1人で家に閉じこもるのではなく、社会とつながり、心も体も健やかに保つことが大切だと思います。皆で体を動かしたり歌を歌うと、すっきりしますよ」。 茶の間「匠南」では定期的に参加者の健康チェックも行っており、いろいろな面から健康づくりに取り組んでいます。

 

 

運動、栄養、人との交流、口の清潔という4つの項目から、ふだんの生活に
当てはまるものがないか、見てみましょう。

運動

運動生活の中で運動を取り入れましょう

階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか

椅子に座った状態から何にもつかまらずに立ち上がっていますか

15分くらい続けて歩いていますか

この1年間に転んだことがありますか

転倒に対する不安は大きいですか

栄養

食べることは生きること

6か月で2~3kgの体重減少がありましたか

BMI18.5未満
BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)が18.5未満はやせ気味に該当
※BMI(体格指数)とは体重と身長のバランスをチェックし、肥満ややせを判定する指標です。

人との交流

誰かとつながると心が元気になる

週1回以上、外出していますか

昨年と比べて外出の回数が減っていますか

口の清潔

口は命の入り口、心の出口

半年前に比べて固い物が食べにくくなりましたか

お茶や汁などでむせることがありますか

口の渇きが気になりますか

地域包括支援センター

 地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」です。対象地域にある地域包括支援センターにご相談ください。

包括さいき(旧佐伯市内、上浦)

 皆さんが心も身体も日々健やかに過ごせるようご支援させていただけたらと思っております。
 どうぞお気軽にご相談ください。

お問合せ

高齢者福祉課 地域包括支援センター「さいき」

📞23-1632

向島1丁目3−8

包括ばんじょう(弥生・本匠・直川・宇目)

 山間部では単身・高齢者のみの世帯が増加しています。皆さんの暮らしを支えるために、地域の特性に応じた支援を一緒に考えさせていただきます。

お問合せ

佐伯市地域包括支援センター「ばんじょう」

📞58-5294

直川大字赤木106

包括あまべ(蒲江・鶴見・米水津)

 市では介護予防事業の取組に力を入れており、健康寿命、大分県1を目指し、必要なサービスの提案などさせていただきます。
 困りごとの大小は人それぞれですが、どんなことでも1人で悩まず、問い合わせください。基本的に、ご自宅でお話を伺います。

お問合せ

佐伯市地域包括支援センター「あまべ」

📞42-5294

蒲江大字蒲江浦3522番地5

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