400年の時を超え、今なお残る。〜佐伯城下に響く、春の足音〜
3月28日、29日の2日間で開催される「さいき桜まつり」は、昭和23年に佐伯城下町の鎮守である「五所明神社」の春祭りと佐伯商工会議所が行っていた郷土復興祭が一緒になって始まったもの。五所明神社のご神幸があるとともに、内町と船頭町が祭りに合わせて山車を出すなど、伝統を受け継いでいます。
まつりの舞台となる城下町は、今から約400年前、初代佐伯藩主・毛利高政が築いた佐伯城(現在の城山)のふもとに武家屋敷と町人地がつくられたことに始まります。城下町で春の訪れを祝う大切な催しとして紡がれてきた歴史に思いを馳せ、ふるさとの宝を未来へつないでいきましょう。

「さいき桜まつり」のメインイベントでもある「佐伯藩大名行列」は、佐伯藩主・毛利家の参勤交代をモチーフにした風景とされています。市民の有志が衣装を着て「下にー、下にー」の掛け声とともに、市内のメイン通りを練り歩く姿は、城下町に春の華やぎをもたらします。行列は、明神太鼓を先頭に、佐伯城の建造物として唯一現存する県指定有形文化財・佐伯城三の丸櫓門からスタートし、歴代藩主が眠る毛利家の菩提寺・養賢寺まで続く「山際通り」を巡ります。
江戸時代の町割りが息づく城下町
大名行列のメイン舞台「山際通り」は、1986年「日本の道100選」に選ばれた「歴史と文学のみち」の一部であり、作家・国木田独歩が寄寓していた坂本邸(現・城下町佐伯 国木田独歩館)や、茶室の汲心亭などが建ち並び、今なお昔日の風情を色濃く残しています。江戸時代、政治や生活の拠点であった一帯には文化的な美しさが漂い、高政公をはじめ、その子孫たちの思いが息づいています。

~ 佐伯城豆知識 ~ 全国でも珍しい技術の石垣

佐伯城を散策する際は、城山に残るひな壇状の石垣にも注目しましょう。本丸北側の斜面に見られる石垣は、江戸時代中期につくられたもの。豪雨による土砂崩れからの復旧のため、お城の構造としては、全国でも珍しい治水技術を応用した造りになっています。全体の高さが約13m、長さ約30mと大規模で、自然災害の多い地域ならではの、知恵を生かした構造です。
まちを盛り上げる、裏方の熱狂。
受け継がれてきた歴史と誇りを守り、未来のこどもたちへ。
そんな情熱を胸に活動を続ける佐伯商工会議所青年部会長に、思いを聞きました。

佐伯商工会議所青年部
令和7年度 会長
山本 康博さん
城下町を華やかに彩る「さいき桜まつり」の大名行列は、198 0年に佐伯商工会議所青年部が「まちを元気にしたい」と始めたのがスタート。立ち上げから青年部が携わっており、今年で43回目を迎えます。
役を演じれば、みんな佐伯の仲間
大名行列を支えているのは、青年部と地元の企業の皆さん。普段は違う会社や環境で過ごしている人々がその日ばかりは垣根を超えて、勇壮な行列をつくり上げます。「面白いのは企業でまとまるのではなく、行列の中では違う『役』になるところ。練習から本番を迎える中で、自然と交流が生まれます」と山本さんは、大名行列が地域の絆を深める場になっていると教えてくれます。
練習は2 月中旬からスタートします。毛槍や鋏箱、太鼓などの特別な役については10回ほど練習を重ねた後に総練習を行い、本番に臨みます。特別な役については先輩が後輩に教えながら、丁寧に引き継いでいます。「毛槍を投げる時は『ボールを投げるイメージで!』など話しながら、できるだけ躍動感が皆さんに伝わるように工夫しています」と次世代へ文化をつなぐ大切さを語ります。
注目してほしい呼吸やリズム
大名行列当日は、姫の着付けは6時から、ほかの参加者は8時30分から始めるなど、朝早くから準備をスタート。美容師組合や青年部OBの力も借りながら、一丸となって進めていきます。「見どころといえば、おなじみの『下にー、下にー』。これは、殿様が通る際、頭を下げるように促した掛け声です。
また、奴頭の扇子による合図で鋏箱と毛槍の演舞が始まります。毛槍を投げる前には『よいしょ、よいしょ』とリズムよく声を掛け合いタイミングを合わせるところも見てほしいですね」。
感動を胸に、残していきたい春の風物詩
近年は性別に関係なく役を演じたり、海外の人も参加したりと、新しい取組にも挑戦しながら進化しています。その活動が認められ、昨年は市から「観光・地域振興功労」の表彰を受けた功績も記憶に新しいものです。「昨年は『企業版ふるさと納税』のおかげで、大名行列の衣装を新調することもできました。応援してくださる皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。新しい衣装で歩く姿もぜひ楽しみにしてください」。
佐伯に毎年春を告げるこの行事を、これからも大切に残していきたい。そんな思いを込めて、勇壮な練り歩きを披露します。



2026年 さいき桜まつり 3月28日(土)・29日(日)
ところ お祭り広場(佐伯市大手町駐車場)・さいき城山桜ホール周辺
【主な内容】佐伯藩大名行列/明神太鼓/グルメ屋台/夜桜/佐伯藩弁財天様参り菊姫行列

佐伯市歴史資料館にもお立ち寄りください
「さいき桜まつり」の日は、「佐伯市歴史資料館」が無料開放されています。また3月28日(土)の夜には開館時間を延長して、「毛利家御居間」もライトアップしています。「歴史と文学のみち」周辺を散策し、佐伯の歴史に触れて、桜と合わせて風情ある景色を楽しみませんか。詳細は、「佐伯市歴史資料館」のフェイスブックを確認ください。佐伯市歴史資料館にもお立ち寄りください
●3月28日(土) 21時まで延長開館
「佐伯市歴史資料館」Facebookはこちら
お問合せ
さいき桜まつり実行委員会事務局
(観光・国際交流課 観光係内)
📞22-3942
