特集

魚活!暮らしにもっと魚を

森や川の恵みを受けた海では、年間を通じて豊富な種類の魚が水揚げされており、生産量・生産額ともに県内の6割以上を占めています。その豊かな水産物は観光振興にもつながっています。生産者や市場、流通のことなど地元の魚をもっと知り、浦の恵みに感謝して「食のまち佐伯」を盛り上げましょう。

 日頃食べている魚は、どんな流れを経て私たちの元に届くのでしょうか?魚に携わるプロたちの仕事をのぞいてみましょう。

01 生産者

 まずは生産者(漁業者)が魚を水揚げするところから始まります。まき網・はえ縄・潜水など、佐伯には多彩な漁法があり、獲れる魚の種類も様々。獲った魚の多くは地元の港に水揚げされ、鶴見市場や葛港市場に持ち込まれています。

 

 

02 市場

佐伯市公設水産地方卸売市場鶴見市場

 市場(産地卸売市場)で働くのは、生産者から魚の販売を委託された卸売人。セリと入札により、卸売人から仲買人に魚が販売されます。

 

 

03 仲買人

 仲買人が買った魚を卸す先は、スーパーや飲食店。大都市の消費地卸売市場にも出荷されています。

 

04 消費地卸売市場

05 仲買人

 

06 スーパー・飲食店など

 届いた魚は私たちが買いやすいように、パック詰めにしたり、加工したり、調理をしたり、スーパーで働く人々の手により、ひと手間かけられています。

 

 

07 消費者

 水揚げされた魚は、このような流れで私たちの元に届けられています。豊富な種類の魚が水揚げされるのはもちろん、海が近いため、水揚げされてから食べるまでが短時間なのも魅力。種類も鮮度もおいしさも抜群です。

 

高級魚の価値を底上げする、神経締めの技術

 鶴見市場に水揚げされる魚は、味の良さが評判です。海の条件が良いのはもちろん、水揚げされてすぐに出荷されるため、見た目がきれいで鮮度が抜群!

 出荷される高級魚のなかには、腕利きの漁師や市場関係者が「活き締め」をするため、鮮度が長持ちします。活き締めの技の1つが神経締めで、魚の脳と神経を素早く壊し、いわば脳死状態にすることです。魚の種類や大きさはそれぞれ違うので、神経締めには高い技術が必要です。

 

 神経締めされた魚が新鮮でおいしいのは、科学的にも分かっています。魚の身の中には旨みをつくりだすエネルギー成分が含まれており、魚が暴れず、ストレスを感じることなく締められた場合は、その成分が消費されずに済みます。
 見た目、鮮度、そしておいしさ。3拍子がそろった鶴見の魚は、全国にも誇る自慢の逸品です。

 

 漁業が盛んな佐伯は漁港数が多く、水揚げされる天然魚介類は35 0 種以上、漁獲量は県内シェア60%を占めています。また養殖業も盛んで、ブリ類、ヒラメの養殖生産量は全国トップクラスです。

 

取扱量の推移

 

 近年は海の環境が変化し、鶴見市場と葛港市場の取扱量を見ると、平成25年、令和元年、令和5年と少しずつ減っていることがわかります。この状況を改善するために、まずは魚が住みやすい環境を守ることが大切。佐伯では美しい海を守るため、様々な活動が広がっています。

 

佐伯市で行われている海の保全活動

 海の生き物の生息場所である藻場がなくなってしまう磯焼けが発生しています。400年前の江戸時代から、山、川、そして海という自然の循環により紡がれてきた佐伯の豊かな藻場を守るため、蒲江の名護屋地区などで藻場保全活動が行われています。こどもたちが藻場保全の大切さを学ぶ機会を設けたり、潜って磯焼けを引き起こすガンガゼやブダイなどを駆除し、クロメなどの母藻を設置するなど、海を守る活動が各地域で進められています。

 

 

 大分県水産加工業振興協議会(米水津水産加工組合・蒲江水産加工組合・市)は、多くの人に普段から魚を食べる機会を増やしてもらうため、県産魚の魚食普及に取り組んでいます。

 加工組合が提供した食材を使い、県と栄養士による料理教室を開催したり、販路拡大のために加工組合が視察研修を行うなど、活動は様々です。今後は、県内の学校とともに県産魚を使ったレシピ開発を行うなど、さらなる販路の拡大を目指していきます。

 

干物七輪焼き教室にも取り組んでいます!

 水産加工組合と市は市内の小学生たちに地元の魚を身近に感じてもらうため、「干物七輪焼き体験教室」を行っています。体験教室では、社会科の授業で七輪を使ってアジやカマスの開きを焼きます。市内で加工された干物は脂がのって旨みもひとしお。干物を七輪で焼くと潮の香りを含んだ香ばしい香りが広がり、こどもたちの食欲を誘います。

パチパチという音とともに香ばしい香りが漂ってきます。七輪で焼いた佐伯の魚のおいしさはひとしお!

食べよう!地魚 ふるさと給食

 市では毎月行っている「ふるさと給食の日」で、地域の食材を使った献立を通して、こどもたちが地域産業や食文化への理解を深めることに取り組んでいます。佐伯の海で水揚げされたブリなど魚を使った献立もあり、小学6年生と中学3年生の希望を反映するリクエスト給食では、「ブリカマ」が人気を集めています。

 

もっと知ろう!佐伯の水産業

 鶴見市場で水揚げされる魚介類の魅力をクローズアップし、水産業に携わる人々の思いや仕事について掘り下げた「鶴見おさかな大百科」を、電子ブックで公開しています。地元のおいしい魚を使ったレシピもおすすめです。

 

お問合せ

水産課(本庁舎3階62番窓口)📞22-3226

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