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高校生×企業 地域課題と向き合いまちを救う

 佐伯豊南高校の商業部では、“ ずっと先まで住み続けたいまちづくり”をテーマに、自分たちの視点で地域課題の解決を目指した様々な取組を行っています。その一環として、地元の企業と協力して「未利用魚」を使った加工品を作り、販売を通じて少しずつ存在を広げています。ほかにも身近な問題と向き合い、未来の佐伯を守るために一歩を踏み出しています。

 同学校の商業部を顧問の山下 智史先生が立ち上げたのは、3年前のこと。部内で食品ロスの問題に着目し、「地域のためにできることは?」そう考えていた時に出会ったのが、地元企業の「山忠」と「漁村女性グループめばる」でした。ここ佐伯での、未利用魚の状況や様々な課題を知り、“解決したい”と思い挑戦を始めました。学生たちのアイデアと熱量、地元企業の知識と経験が合わさりホシザメとソウダガツオを使った、「ふかちゃん」「かつおくん」という2種類のふりかけが完成しました。ふりかけの開発から製造販売までの流れを経験した学生たちは、多くの学びを得て、地域に目を向け、より良いまちにするためのアイデアを形にしました。若い力と地域の絆が合わされば、このまちはもっと面白くなる。このふりかけが、
そんなワクワクする未来を教えてくれています。

 鶴見の漁師の妻たちが立ち上げた『めばる』は、地域の魚食普及を目指し、様々な水産加工品づくりに取り組んでいます。今回のふりかけの原材料は、おいしいことを知られていないホシザメと、濃厚なうま味を持ちながら地元では活用機会の少ないソウダガツオ。工場がお休みの年数回、学生たちとふりかけの製造を行っています。「高校生たちにとって実りある課題活動の時間になるよう、経営や未利用魚のこと、原価や衛生管理といったレクチャーも行いました」と小谷さん。2種類のふりかけは、魚の特徴がよく出ている味に仕上がっています。この商品を通じ、市内の人にも魚を食べるきっかけになればと期待を寄せています。

 1947年創業の海産物加工会社『山忠』は、“地域と共生し、豊かな海を次世代へ”という思いを根底に、ひじきを中心にカットわかめや海藻サラダなどの海産物加工品の生産をはじめ、食育活動や未利用資源の再利用に取り組んでいます。高校生との商品開発では、全体的なコンサルティングをサポート。「作るのが目的ではなくて、未利用魚を有効活用していくために、継続して販売することが大切」と福良さんが話すように、価格設定からパッケージデザイン、流通まで広くアドバイスを行いました。「学生たちは市場見学や魚をさばくなど“魚を知る”ための活動も熱心に学んでいました」。佐伯の食の魅力を学びながら主体的に進める姿は、『山忠』の思い描く地域貢献やSDGsの明るい未来を映し出しています。

 同高校の商業部によるSDGsの視点に立った取組は、ほかにもあります。衣服ロスを減らす活動や規格外の農産物を使った加工品づくり、また今後は佐伯のマリンレモンを使ったグミの商品開発など、現状の課題を知り、解決へと導くための行動を進めています。


国内では供給される衣服の半分以上が
新品のまま廃棄されるといわれている。

 商業部の3年生が、衣服ロスを削減するための取組を始めたのは、古着循環事業の「DISCO OITA」(大分市)の宮崎洋輔代表との勉強会で、国内の衣服の実情を知ったことがきっかけです。
 そこで校舎内に「衣類専用回収ボックス」を設置して、生徒や先生、保護者に呼びかけたところ、約1か月間で471着の衣服を回収。それを今年の「さいき桜まつり」で販売すると約5万円の売り上げを達成するなど、市民に現状を知ってもらいながら、「捨てる」から「循環」へと、持続可能なリサイクルの取組を進めています。

 臼杵市野津町のイチゴ農園から出る規格外イチゴを使い、フードロスや地元産品のPRの取組にも挑戦。県内の別府翔青高校(別府市)、日出総合高校(日出町)、中津東高校(中津市)、楊志館高校(大分市)と5校で連携して行った企画です。
 試作では5校の生徒が集まるタイミングを合わせるのが難しく、酸味や甘さなどの味について、オンラインで会議をしながら調整を重ねていきました。果肉感のあるイチゴの風味豊かな味ときれいな色の商品ができあがり、現在は大分空港の売店や地元のイベントなどで販売しています。


食べてまちを守ろう!地元食材を使った加工品

 3ページで紹介した、同学校の先輩が開発した“佐伯産のふりかけ”。その思いを受け取った在校の3年生たちは、毎月第3日曜日に仲町商店街で開催される「日よう市」に参加し、販売活動に力を注いでいます。
 「社会に出る前に自分たちのまちを知り、地域活性化につなげよう」そんな思いで企業と関わり、校外活動を行っている商業部。商品開発を進める際は、商品を単に作るだけではなく、パッケージや金額、流通などマーケティングまで視野に入れることで、長い目で見た地域課題の解決を意識しています。現在は新たに1年生も入部して、「地域の大人はもちろん、若い人にも私たちの活動やSDGsに興味を持ってほしいです」と話しています。

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