新年あけましておめでとうございます。市民の皆様におかれましては、希望に満ちた輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年を振り返りますと、元日に石川県能登半島地震が発生し、462人の尊い命が奪われ、いまだに3人の方が行方不明となっています。(※令和6年11月26日時点)改めまして、お亡くなりになられた方に対し、心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、一日も早い復旧・復興を願っております。本市におきましても、4月には、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、佐伯市で震度5弱を観測しました。
 また、8月には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、初めて南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、防災に対する日々の備えの大切さを痛感した一年でありました。そこで、本市の防災力の向上を図るため、昨年12月1日に「地域防災マネージャー」の資格を有する退職自衛官を防災危機管理監として採用しました。防災の専門性を有する外部人材の採用は本市では初めてのことであり、今後より一層の地域防災力と災害対応力の強化に努めてまいります。

 また、これからは、人口減少や地域経済の縮小により、単独の自治体による地域課題の解決はより一層厳しさを増します。そのため、広域的な地域連携が重要であるとの視点に立ち、8月に、日田市、佐伯市、竹田市、豊後大野市、由布市、九重町及び玖珠町の5市2町で、「海・里山・高原をつなぐ豊後未来ビジョン」包括連携協定を締結、12月に同協議会を設立しました。今後は、各市町の豊かな里山資源を活かした人的資源・地域資源の活用と、産業・観光、教育・文化・スポーツ分野等での交流・連携による地域活性化などに取り組み、交流人口・関係人口の増加や地域コミュニティの存続、豊かな自然と共生する持続可能な社会の実現などを目指します。

 農林水産業の振興につきましては、8月に、蒲江地域に水産物加工処理施設が完成しました。養殖ブリを主体に、年間50万尾分の加工品を出荷する計画であり、米水津地域の施設と合わせると年間処理能力は100万尾に拡大します。また、宇目地域では、現在、循環型林業を促進する木材加工処理施設を整備しています。これにより、大径材の活用、利用拡大を図り、木材の価値の向上及び価格の下支えにつなげます。

 観光・経済面では、昨年2月、佐伯市内外の関係者が一体となって地域資源の磨き上げを行い、地域価値の向上と交流人口の増加を図ることを目的に、「一般財団法人観光まちづくり佐伯」(佐伯版DMO※)を設立しました。今後も、一次産業や観光産業の振興により、域外から外貨を稼ぎ、所得の向上と地域内経済の循環を目指します。また、本年秋には、蟹田地区に「日本語学校」が開校予定です。これを皮切りに、お互いの文化を認め合うような「多文化共生社会」の実現を推進してまいります。

 さらには、各地域では新たなコミュニティ組織の取組が順調に進んでいます。昨年6月から11月にかけて市内全19地域の新たな地域コミュニティ組織等と意見交換会を開催しました。19地域のうち、16地域において自主的・自立的な地域課題の解決に向けた取組がスタートしており、本年からは、佐伯、佐伯東、鶴岡地域でも、新たな地域コミュニティ組織の設立に向けた話し合いが開始される予定です。地域住民がシビックプライド(地域への愛着と誇り)を持って、健康で、安心して幸せに住み続けられるよう、今後も、地域コミュニティ組織の活動をしっかり支援・推進していきます。

 本市は、本年3月3日に市制20周年を迎えます。「健康・美・長寿」の聖地を目指し、心と体、さらには自然環境を豊かにし、健やかに住み続けられるよう「さいきオーガニックシティ」の実現に向け邁進してまいります。

 結びに、新しい年が皆様にとりまして、健康で幸多い一年となりますことを祈念申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

 令和7年 元旦

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