あけましておめでとうございます。市民の皆様におかれましては、希望に満ちた輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年を振り返りますと、ここ数年、私たちの日常生活に大きな影響を与えていた新型コロナウイルス感染症は、5 月に「2類相当の感染症」から「5 類感染症」に位置づけが変更されました。市内で数年間控えられていた地域行事が再開し、笑顔が戻り、にぎわいが復活したまちの様子から、改めて人と人との交流の大切さを実感しているところです。

 そのような中、第2 次佐伯市総合計画後期基本計画を策定し、「地域が輝く『佐伯がいちばん』の人・まちづくり」をなお一層進めるため、人と自然が共生する持続可能な循環型共生社会「さいきオーガニックシティ」の実現に向けて本格的に取組を始めました。また、経済・社会・環境の三側面が調和した佐伯版SDGsの推進に当たっては、目まぐるしく変化する社会情勢に対応し、連携や共有などの「シェアリング」、DX化などの「デジタル」、脱炭素社会などの「グリーン」の3つの視点を踏まえることとしています。

 このうち、「シェアリング」の視点では、市民・企業・行政の連携や地域間、都市間での連携・共有を進めます。地域においては「新たな地域コミュニティ組織づくり」が進んでおり、既に立ち上がった西上浦・青山・宇目・直川の4地域では、住民が主体となって安心して幸せに住み続けられる地域づくりに取り組んでいます。開館から3年を迎えた「さいき城山桜ホール」は、市内外から多くの方が訪れる文化芸術・まちづくり・市民協働の拠点となっており、間もなく来館者100万人を突破する見込みです。また、多様化する地方の課題解決に向けて、県内・県外の自治体と連携し、情報共有や意見交換を行っています。国際交流面では、ベトナムや台湾など本市と友好関係にある海外地域と経済・文化・教育などの交流を深めています。

 次に「デジタル」の視点では、市民の4分の3以上が保有しているマイナンバーカードの利活用等による行政手続のデジタル化を進め、市民の皆様の利便性向上に取り組みます。また、デジタル地域通貨の導入に向けた取組を進め、域内消費を促進し、地域経済の活性化を図るとともに、人と人とのつながりを深め、地域コミュニティの活性化を推進します。

 また、「グリーン」の視点では、生物多様性の保全や地球温暖化対策にも効果がある有機農業を進めるほか、森林資源を持続的に活用する循環型林業の推進、ブルーカーボン(藻場等の海洋生態系に取り込まれた炭素)のクレジット化に向けた研究も進めます。環境にやさしく、本市の美しい自然景観を楽しんでいただけるサイクルツーリズムも引き続き推進します。

 結びに、平成17年3月に1市5町3村が合併し誕生した新「佐伯市」は、令和7年3月に市制施行20周年を迎えます。今後とも佐伯市の新たな歴史を築いていくことができるよう、市民の皆様とともに歩んでまいります。新しい年が皆様にとりまして、健康で幸多い1年となりますことを祈念申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

 令和6年 元旦

ピックアップ記事