つくるひとびと

絵画

画家/波当津美術館/蒲江波当津地区

コオロギタカシ/神路 隆さん

絵画

コオロギタカシさんは、かつて抽象画で愛や命など目に見えないものを描いていましたが、現在は「龍」を通してその思いを表現。構図も表情もすべて異なる唯一無二の龍たちは、強いメッセージ性を放ち、見る人の心を揺さぶります。

不思議な縁に導かれ、佐伯市・蒲江波当津へ。

 大分市出身の画家・コオロギタカシさんは、8年前、波当津の廃校※を活用し、「波当津美術館」を開館。アトリエを兼ねたこの場所で、静かに創作活動を続けています。
 「展覧会に訪れていた佐伯市内の校長先生から波当津の話を聞き、何気なく足を運んだら、美しい海と自然に一目で魅了されました。初めてなのに“やっと帰って来られた”と感じたのをよく覚えています」。そう話すコオロギさんが波当津で自然と描くようになったのが「龍」。愛・命・祈りといった、人として大切にしたい思いを表現した龍の絵は700点を超えますが、ひとつとして同じものはありません。キャンバスに向かうと、まるで“描かせていただいている”かのように筆が動き、新たな龍が誕生するのだと言います。

アートを通じて地域の力に

 地域貢献活動にも熱心で、地元の小・中学校で行うアート教室もそのひとつです。「スマホやパソコンなど平面的な作業に慣れたこどもたちに、指先から得られる感覚や、自分の手で“もの”を生み出す喜びを伝えたいです。また自身もこどもたちの自由な発想に毎回刺激を受けています」。
 ほかにも、地元・王子神社の231枚に及ぶ天井画の修復や、美術館を訪れる観光客の受入など、様々な活動に取り組んでいます。
 今が表現者として最も充実しているというコオロギさん。「世界で1番龍の絵を描いた画家」を目指し、これからも地域とともに歩み続けます。

▲波当津美術館は入館無料。1階にはアトリエ・展示室、2階の展示室には100号以上の大きな作品がずらりと展示されています。

▲神社での天井画の修復や、毎日更新されるSNSを見たファンが県外・海外からも訪れ、高齢化が進む波当津に活力をもたらしています。

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