つくるひとびと

モジャコ

株式会社 冨田水産 モジャコ漁船 船長

冨田 恵義さん/蒲江上入津地区

モジャコ

モジャコとはブリの稚魚です。このモジャコを養殖してブリに育てていきます。モジャコは海面を漂う「流れ藻」に身を寄せる習性があり、「藻に付く雑魚」が名前の由来といわれています。モジャコ漁は、資源保護の観点から地域ごとに枠(許可尾数)が定められており、枠の90%に達した時点で終了となります。

県内外で評価される質の高い「佐伯のモジャコ」

 毎年春先になると佐伯ではモジャコ漁が始まります。今回ご紹介する冨田恵義さんは、モジャコ漁船の船長。25歳で家業のブリ養殖の道に入り、経験を積んだのち、春先はモジャコ漁、それ以外の時期はブリ養殖に励んでいます。
 天候を見ながら4人で1か月ほど漁を行います。長い時は陸に戻らず、1週間取り続けることもあります。
 漁の最中は網を入れて引き上げ、モジャコと藻に分け…の繰り返し。海上の蓄養筏でモジャコを大きさ別に選別・給餌するご両親と連携しながら、ひたむきにモジャコと向き合い続けています。

先人が築いた信頼・技術を守り続けたい

 冨田さんは漁獲したモジャコを1か月ほど育てた後、自社の養殖に使う分を除き、佐伯、四国など県内外の養殖業者に販売しています。
 「モジャコの管理には非常に気を使います。栄養剤を与え、成長に応じて数十回ほど選別し、養殖業者さんが育てやすいベストな状態で出荷します。先人が佐伯のモジャコの品質を守り、信頼を築いてくれたからこそ、20年以上県外から購入してくれる業者さんもいます。私たちの役目はその信頼・技術を守り続けること。大変な仕事ですが、一から育てて出荷する瞬間や購入してくださる人の声が、やりがいにつながっています」。
 現在はまもなく始まるモジャコ漁に向けて入念に準備中。冨田さんたちモジャコ漁に携わる人々の丁寧な仕事が、養殖ブリの品質を支えています。

▲船長の冨田さんが操船と現場判断を行い、スタッフ3人が漁獲を担当。漁は日の出から日没まで続きます。入津湾では今年28業者がモジャコ漁に出漁します。

▲漁獲したモジャコは5~10g程度。藻と分けて陸に運び、餌や体調管理をしながら30~80g程度に育てて出荷します。

ピックアップ記事